経営ビザ(投資ビザ)の条件-資本金を借りる場合-
経営ビザ(投資ビザ)の申請について、必要な条件の中に、事業の規模として500万円以上の出資(資本金)の規模が必要という条件があります。
※500万円以上の出資が必要となるのは、従業員を雇用しない場合です。また、個人事業主の場合は少し考え方が異なります。
投資ビザにおいて、資本金として500万円の出資は、単に出資して会社の資本金とすれば良いわけではなく、その資本金の出処に関する証拠が必要です。
しかし、社会人経験がなく、自分で資本金を準備できない留学生などは、自分の名義で500万円を用意することが困難です。このような場合、親族から資本金を借りる場合が多いです。
資本金を借り入れる場合について、よくあるパターンは概ね二つに分かれます。
- ①両親(親族)から資本金を借りる場合
両親や親族が、日本で頑張っている自分の子供や親族を応援するため、資本金を貸してあげるという気持は十分理解できます。しかし、両親や親族であれば当然に良いというわけではなく、関係性と、出資者の金銭の出処を証明する必要があります。
- ②友人から資本金を借りる場合
近年、外国で違法に得たお金を、日本の会社設立のために送金し、一見正しいお金のように見せかけるマネーロンダリングが増えていると言われています。当然、入国管理局でも、マネーロンダリングを防止するという観点からも、投資ビザ申請の際に資本金に関する証拠を求める場合があります。
友人から借りる場合と、両親(親族)から借りる場合で異なるのは、友人とは血縁関係がないので、500万円もの大金を直ぐに貸すのは、何かおかしいのではないかと疑われ易い点です。貸したお金は、事業に失敗した場合は返ってこない場合もあるので、普通に考えれば簡単に貸すことはないでしょう。そこで、貸すことになった理由の説明や、証拠を提出しなければなりません。
では、投資ビザ申請のために資本金を借りた場合、基本な立証書類は何が必要になるのでしょう。
主な書類は、以下のような書類です。
- ●親族関係証明書 → 両親(親族)との関係性を証明するために必要です。
- ●金銭消費貸借契約書 → 口頭での契約だけではなく、きちんと書面で証明することができるため、信用度が上がります。
- ●職業と収入の証明 → 資本金を出してくれるひとが会社経営者の場合、会社謄本や、営業許可の書類が必要となります。日本で生活する方が出資する場合は、所得・課税証明書といった公文書の提出が必要です。
- ●資産の証明 → 銀行から発行された預金残高証明等、500万円以上の資産を持っているという証明に必要です。
経営ビザ(投資ビザ)を申請する場合の資本金については、それぞれの状況によって、立証する資料が異なります。不安な方は、当事務所までご相談ください。