永住権(永住ビザ)と扶養家族-本当に養える?-
永住権(永住ビザ)の相談を受ける際,扶養家族(扶養親族)が多いのですがという相談を受けたり,こちらから聞き取りしてみると,多くの扶養家族を入れられている方がおられます。
扶養家族とは,ざっくりいえば,ご自身が養っている家族のことをいいます。
ご自身の扶養家族に誰が入っているのかは,例えば源泉徴収票を見れば,以下のように赤枠で囲っている欄に記載されている方がその年の扶養家族として記載されています。
扶養家族には,日本で一緒に暮らす家族や,母国で生活している両親を入れている場合が多いと思います。扶養家族がいる場合,扶養控除という税金の控除を受けることができ,支払う税金が少なくなるため,日本で暮らす外国籍の方でも扶養家族を入れている方は多く見受けられます。
ただし,永住ビザを申請する場面では,扶養家族は注意が必要です。
永住ビザの審査では,扶養家族がいる場合,①扶養家族を養えるだけの収入があるのか,また,②実際に扶養家族を養っているのかという2点から審査されることになります。
例1:
妻と子が扶養家族に入っており妻がアルバイトをしていない場合は,夫が一人で家族を支えていることになります。
この場合,夫の収入が何万円以上という明確な基準はないようですが,一般的に考えて,家族3人が生活するための十分な収入があるのかどうかが審査されます。
ただし,例えば生活をうまくやり繰りして,収入が少ないとしても実際はなんとか生活できていたとしても,一定額の収入がなければ,実際に生活しているかどうかに関係なく不許可となる場合があります。
例2:
永住ビザ申請では,母国など日本国外の家族を扶養家族に入れている場合も審査されます。日本で一人生活し,就労ビザで働いているような場合でも,母国の両親を扶養家族に入れている方も多いのではないでしょうか。
この場合,上記と同じく,両親を扶養するだけの収入を得ているのかどうかも審査されますが,両親とは同居していないため,実際に両親を扶養しているのかどうかという点で,例えばお金を送金しているかといった事情も審査されます。
扶養家族が多いということが理由で永住ビザが不許可となった場合,そこから再申請してリカバリーすることは,色々チェックするポイントがあるため大変だと思います。
扶養家族が多くご不安な方は,一度専門家へ相談されることをお勧めします。