外国の親を日本に呼び寄せ,一緒に生活するには(老親扶養ビザ)①
日本で生活する外国人の方が増え,また,日本での滞在年数が増えるにともなって,母国で生活する両親の年齢も高齢になっていくと思います。
そこで,高齢の両親が心配なので,日本に呼び寄せて一緒に生活したいという相談が増えました。
日本に何らかの在留資格で滞在する方,永住権を持っている方,日本国籍に帰化した方のどの場合であっても,当然に親と一緒に日本で生活することが出来るわけではなく,かなり高いハードルをクリアする必要があります。
高齢となった両親を扶養する場合,その親のビザは「老親扶養ビザ」などと呼ばれたりもしますが,法律上は告示外の「特定活動」ビザの一つとなります。
告示外の「特定活動」ビザは法律上の条件が明確に決まっているわけではなく,個別の事情に応じて審査されます。
明確な条件は決まっていないのですが,一般的には以下のような事情に基づき判断されるといわれています。
①親が高齢であること(概ね70歳以上)
②親の母国に,親を扶養してくれる親族などがいないこと
③親を扶養する親族に,十分な収入や資産があること
④親を扶養する親族が,日本で生活していること
⑤病気があるなど,日本で家族の扶養を受ける必要性があること
概ね上記のような条件に基づき判断されるようですが,実際の審査はかなり厳しくなっています。
当事務所のお客様で相談を頂いた方の例では,例えば②の条件について,母国に兄弟がいるのであればその方に扶養してもらってくださいということで不許可になってしまった方や,⑤の条件について特段日本で生活しないといけない必要性がないということで不許可になってしまった方などがおられました。
日本では,2025年には65歳以上の人口が全体の30%を超えるという予測になっており,超高齢社会が加速しています。そのため,よほどの人道上の理由がない限りは,高齢の両親の日本での滞在を認めない方向になっているのだと思われます。
近いうち,当事務所で依頼をお受けし許可となった方の例をご紹介します。