帰化申請した後の戸籍はどうなる?
ご相談される中で「帰化したことって,後からばれますか?」「帰化したことって戸籍にのりますか?」といったご質問が多くございます。
結論から言うと,帰化後の戸籍には帰化事項が記載されます。従前の氏名や国籍,帰化日などが記載されることになります。
しかし,戸籍には「移記すべき事項」と「移記されない事項」というものがあります。
そして移記事項は戸籍法施行規則第39条に定められています。
戸籍法施行規則第39条【重要な身分事項の移記】
新戸籍を編製され,又は他の戸籍に入る者については,次の各号に掲げる事項で従前の戸籍に記載したものは,新戸籍又は他の戸籍にこれを記載しなければならない。
- 一 出生に関する事項
- 二 嫡出でない子について,認知に関する事項
- 三 養子について,現に養親子関係の継続するその養子縁組に関する事項
- 四 夫婦について,現に婚姻関係の継続するその婚姻に関する事項及び配偶者の国籍に関する事項
- 五 現に未成年者である者についての親権又は未成年者の後見に関する事項
- 六 推定相続人の廃除に関する事項でその取消しのないもの
- 七 日本の国籍の選択の宣言又は外国の国籍の喪失に関する事項
- 八 名の変更に関する事項
九 性別の取扱いの変更に関する事項
2 前項の規定は,縁組又は婚姻の無効その他の事項によって戸籍の記載を回復すべき場合にこれを準用する。
この移記事項のなかに,「帰化」は含まれていません。つまり帰化事項は転籍や改製があった場合に移記されない(戸籍に記載されない)ということです。
帰化許可になり,いちばん最初にできた戸籍には記載されますが,その後戸籍の改製があった場合,自分では何もしなくても帰化事項が消えていたということもあり得ます。
もちろん戸籍を遡れば帰化事項は出てきます。しかし,日常のなかで戸籍を遡ることはほとんどありませんし,他人に戸籍を見せるといったこともないですよね。
しかし一つだけお伝えしておきたいのは,父母の氏名はそのまま記載されるということです。父母は帰化せず,自分だけ帰化したという場合,父母の氏名は変わりません。
そのため父母が帰化せず外国籍の場合,氏名は通称名ではなく本名そのまま記載されるということです。