特定技能と技能実習,どちらを選べば良い?
先日,京都へお花見に行ってきました。
着物を着た外国人観光客の方も多くいらっしゃいましたが,観光客だけでなく,実際に京都に住んでいるという方も多くなってきました。
今回は,最近お問い合わせを多くいただく,特定技能と技能実習の違いについてです。
〇そもそも目的が違う
特定技能ビザでの受け入れと技能実習生としての受け入れはそもそもの目的が異なります。
外国人技能実習制度の目的は,我が国(日本)で培われた技能,技術又は知識の開発途上地域等への移転を図り,当該開発途上地域等の経済発展を担う「人づくり」に寄与するという,国際協力の推進とされています。
つまり,実習生たちに日本の技術を身に着け,母国の産業発展に活かしてもらうことを目的としており,人手不足の解消を目的としていません。
一方,特定技能ビザについては,人手不足が深刻な建設業界や介護業界など14業種の人手不足解消を目的としています。
〇どちらの対象業種なのか
特定技能と技能実習の”どちらの対象となる業種であるか”というのがまず最初のポイントです。
例えば,今回特定技能ビザに含まれた業種のうち「飲食業」についてはそもそも技能実習ビザの対象となりませんので,
特定技能ビザでの申請をすることになります。
〇特定技能外国人を受け入れる分野について
特定技能外国人を受け入れる分野は「特定産業分野」とよばれる14分野に定められています。
・介護
・ビルクリーニング
・素形材産業
・産業機械製造業
・電気
・電子情報関連産業
・建設
・造船
・舶用工業
・自動車整備
・航空
・宿泊
・農業
・漁業
・飲食料品製造業
・外食業
いずれにも対象となる分野の場合であっても,最近では「人手不足解消」を希望とした雇用主側からのお問い合わせが多くなっています。
どのような目的を持って,日本に入国するのかというところから考えていただくのも重要だと考えていますが,今後は特定技能ビザの取得を検討されるケースが多くなっていくのではないでしょうか。
しかし,その他にも「日本語テストの実施」や「特定技能雇用契約」など色々な取り決めがあります。外国人を雇用する受入企業側にも,制度への理解が必要です。