離婚歴があるフィリピン人との国際結婚について
日本人男性と外国人女性の国際結婚では,全体の20%程がフィリピン国籍の方との結婚だとされています。結婚された中には,婚姻生活がうまくいかず離婚する方もいます。
このように,日本人との離婚歴があるフィリピン人と結婚(再婚)する場合は,どの様な手続きが必要となるのでしょうか。
日本在住のフィリピン国籍者と結婚する場合は,原則,在日フィリピン大使館・領事館が発行する「婚姻要件具備証明書」の添付が必要です。離婚歴のあるフィリピン人が婚姻要件具備証明書を取得する場合は,
①フィリピン外務省認証済みPSA発行の結婚証明書,もしくは婚姻届(離婚承認注釈付き)
②フィリピン外務省認証済みフィリピン裁判所発行の外国離婚承認審判書と確定証明書,が必要とされています。
この②は,日本で離婚したということをフィリピンの裁判所でも承認してもらう手続きになりますが,この手続きがかなり問題です。
というのも,フィリピンは裁判により最初から結婚をなかったことにするような,結婚を無効だとする制度はありますが,いわゆる話し合いで離婚する協議 離婚の制度がありません。そのため,協議離婚の場合に,その協議離婚がフィリピンでも認定されるのかどうか,ここが確かではありません。
そのため,上で記載した②の手続きができない可能性があります。
そうすると,「婚姻要件具備証明書」が発行されず,離婚歴があるフィリピン人と結婚できないのかとなりそうです。この場合,基本的に婚姻要件具備証明書が発行できない場合は,その他の本国で発行される書類や申述書などで,結婚できるかどうかを判断するとされていますので,結婚できる可能性はございます。
当事務所でも,お客様と役所の間に当事務所が入らせて頂き,役所側と交渉して書類を調整することで結婚出来た方はおられます。
そのため,離婚歴があるフィリピン人と結婚する場合でも,あきらめずに調べて場合によっては役所と交渉しながら進めることが大切です。
また,婚姻要件具備証明書が発行されずに困っている方は,ご遠慮なくご連絡ください。