外国の親を日本に呼び寄せ,一緒に生活するには(老親扶養ビザ)②
以前,外国人の親を日本に呼び寄せて一緒に生活するための条件(外国の親を日本に呼び寄せ,一緒に生活するには(老親扶養ビザ)①)について,一般的なお話をさせて頂きました。
今回は,当事務所でご依頼をお受けし,無事に許可となった方の事例を簡単にご紹介いたします。
その方は,申請時点で丁度70歳で,母国に兄弟姉妹はいましたがそれぞれに家族がおられ扶養できる状況にはなく,配偶者とは離婚し,子供たちは全員日本で生活していました。そのため,母国では一緒に生活して助けてくれる方は誰もいない状況でした。
日本にいる子供たちは,それぞれが働き十分な収入を得ており,また,一緒に生活するために介護用のベットを購入する等,日本であれば受け入れるための準備が整っていました。
その方自身,子供たちに会うため毎年のように日本を訪れていました。その最中,突如脳梗塞を患い病に伏し,半身が麻痺する等,一人で生活するには困難な状況となりました。
当初,家族の方のサポートを受けご自身で申請されていたのですが,それが不許可となり,当事務所へ相談に来られました。
色々ご事情を伺い,当事務所としては,
①本人は高齢で,病を患っており,母国で一人で生活することは困難であること
②母国の兄弟姉妹は扶養できる立場にはなく,母国では誰の支援も受けることができないこと
③日本に滞在している実子は,一緒に生活することを希望しており扶養するための収入などがあること
④脳梗塞や糖尿病などの病気があり,既に日本の病院へ通院し診断書などが発行されていること
といった事情を細かく説明,証明していきました。入国管理局からも,病気の症状などについてより詳細に説明を求められるなど審査は厳しいと感じましたが,無事に許可して頂くことが出来ました。
以下は,許可時の指定書です。
医療滞在のようにも見えますが,あくまでも扶養を受ける活動なので,高齢扶養特定活動であることが分かります。
大変な申請でしたが,本人やご家族が諦めることなく挑戦されたので,それを入国管理局にも理解して頂けたのだと思います。