年末調整と帰化申請
今年も残すところあと1ヶ月となりました。
段々と寒さが厳しくなってきましたが,先日移転してきたばかりの新しいオフィスで心機一転,初心を忘れずにさらなる飛躍を目指します。
この時期になると勤務先で始まるのが年末調整の準備です。
年末調整は会社の義務となっており,これを行うことで従業員の正しい所得税額が算出されます。
帰化申請に必要な書類としては,「給与所得の源泉徴収票」があります。
直近3年ほどの間に転職がなければ前年分のものがあればまずはOKです。
次に,そこに記載されている内容が重要です。
よくある不備として,「前職の源泉徴収票を新しく入社した会社に提出していない。」ということがあります。
この場合,正しい税額を納税できていない可能性がある,ということを理由に帰化申請することができませんので,税務署で確定申告をして是正する必要があります。
ただ,そうはいっても正しく年末調整できているのかどうか分からない方も多いと思います。
その場合に見て頂きたいのは源泉徴収票の「摘要」の欄です。
そちらに前職の情報(会社名,支払金額,社会保険料額など)や年末調整未済と記載されていますので,不備の有無が簡単に分かります。(年末調整未済とは,年末調整が済んでいないという意味です。)
ちなみに,前年から勤務していた方の源泉徴収票の「摘要」の欄は空欄で何も記載されていないことが多いです。
もし,年末調整が正しくできていない状態で帰化申請をした場合,「住民税の所得課税証明書」と照らし合わせた際に収入金額が合わないということになり,不備が判明したタイミングで法務局から指摘を受けることになります。
そのような後手の対応にならないためにも申請する前に源泉徴収票の内容をよく確認しておくことをおすすめします。
また,グループ会社に所属変更になった場合や非正規から正社員になった場合など,同じ会社で入退社があった場合にも年末調整に不備が発生していることが多いので,そのようなご経歴のある方はくれぐれもご注意ください。