結婚が先?帰化が先?
在日韓国人の方が帰化するきっかけで一番多いのは「日本人との結婚」です。
そのため,当社でもよく「帰化してから結婚したほうがいいですか?」,「結婚してから帰化したほうがいいですか?」と聞かれることがあります。
これは非常に重要な選択で,もし誤った選択をすると余計な労力や費用がかかってしまい,非常に効率が悪くなります。
ただ,その判断は難しく,「必ず先に結婚した方がいいです。」とか「絶対に先に帰化した方がいいです。」とは言えません。
例を挙げます。
- ①一人暮らし・無職の帰化申請者が収入のある方と結婚する場合
→先に結婚をして世帯としての収入を増やしたうえで帰化申請することをおすすめします。
- ②婚約しているだけで結婚時期が未定の場合
→ただでさえ申請受付から許可受領までに約1年ほどかかりますので,さらに時期未定の結婚後に帰化申請するとなると,かなり先延ばしになりますので先に帰化申請することをおすすめします。
- ③結婚してすぐに転居予定の場合
→必要書類や申請する法務局が変わる可能性がありますので,結婚⇒転居⇒帰化の順番に手続きすることをおすすめします。
- ④結婚相手やその親族が帰化後の結婚を希望している場合
→お相手のご希望以外のその他の事情もふまえて総合的に判断することになります。
このように個別の事情によってどのように進めていくべきか判断していく必要があります。
ちなみに,国籍法第2条に「子は、次の場合には、日本国民とする。出生の時に父又は母が日本国民であるとき。・・・」とありますので,日本人との結婚が先でも帰化してからの結婚でも,その後生まれてくる子どもは日本国籍を取得することができます。(既に妊娠中で,結婚前又は帰化前に出産する可能性がある方はご注意ください。父の認知など,別のお話をする必要が出てきます。)