永住権の申請と年金-外国人に知ってほしい年金制度-
「年金の加入は永住許可(永住権)の条件ですか?」こんな質問をよく耳にします。
永住許可申請の時はもちろん,日本で生活している以上,年金制度の基本を理解しておいて損はないと思います。以下,簡単ですが外国人の方が知っておくべき年金制度を紹介します。
・外国人は年金に加入する必要がありますか?
日本の年金制度は,①国民年金と②厚生年金の2階建て構造になっています。
現行制度は,「国民皆年金(こくみんかいねんきん)」と呼ばれており,日本に住んでいる20歳以上60歳未満の人は,①国民年金に全員加入しなければなりません。
外国人(中長期在留者)も対象になるため,国民年金の加入は義務です。
出典:日本年金機構パンフレット「知っておきたい年金のはなし」P24
・会社員の場合はどうなりますか?
会社員の方について,会社で②厚生年金に加入し,保険料を給与から天引きされているのが一般的です。しかし,会社員として働いていても,会社で厚生年金に加入していない場合は要注意です。
その場合,ご自身で年金事務所へ①国民年金に加入の手続きをする必要がありますので,ご不安な方は一度給与明細や源泉徴収票等から,現在の年金加入状況を確認したほうが良いと思われます。
・留学生等,納付する余裕がない方について
国民年金保険料には,「免除制度」や「納付猶予制度」が設けられています。留学生の方は,「学生納付特例制度」を利用できます。納付が難しい場合,放置せずに,自分に適する制度を調べてみましょう。
・年金保険料を支払っていませんが永住許可申請できますか?
従来の永住許可審査においては,入管は年金加入に関する資料の提出を求めていませんでした。しかし,昨年から,一部の地方入国管理局は,年金保険料の支払状況を審査対象にしていることが分かりました。
今までビザの更新や変更に何の問題もなかったのに,ようやく永住を申請したものの,追加資料が求められ,年金の未払いが発覚したとのご相談も少なくありません。永住申請の際の年金問題について,申請地,申請時期,申請者の状況によってケースバイケースで判断が分かれます。そのため,インターネットの情報や,過去に申請した人の口コミをむやみに信用するのは危険です!
当事務所は,直近の申請事例から,永住許可審査の傾向を分析しています。永住申請をする前に,お客様の加入状況を点検し,許可に向けて最善案を提示し,リスクを事前に説明しています。詳細は,当事務所の【無料相談】をご利用ください。