帰化申請と社会保険の扶養について
ラグビーワールドカップが開幕しましたね!
選手の中には,帰化申請をして日本国籍を取得した方も多くいるようで,
なんだか親近感を覚えました!
さて,今回は,帰化申請と社会保険の扶養についてのお話をいたします。
「扶養」には大きく分けて「社会保険上の扶養」と「税法上の扶養」があります。
意外とこの違いが分からない方は多いと思いますが,今日はまず「社会保険上の扶養」の「家族を社会保険の扶養にしているとき」の帰化申請との関連についてお話しします。
まず,日本年金機構は,昨年2018年10月から社会保険の扶養条件の確認を厳格にしました。
これまでは被扶養者の条件を満たしていることを申立てるだけで認定されていましたが,現在では申立てだけでは足りず,書類による証明が必要となっています。
証明する必要がある内容としては,被扶養者の範囲(配偶者,子,孫,兄弟姉妹等),収入条件(年間収入130万円未満,別居の場合は仕送りの有無等)です。
被扶養者の範囲かどうかは「戸籍謄本(抄本)」で続柄を確認することで証明できます。
収入については,「所得課税証明書」や「確定申告書」で,同居か別居かについては「住民票」で証明できます。
別居の場合の仕送りの有無については,「預金通帳の写し」や「現金書留の控え」等で証明することができます。
現在はこれらの書類で被扶養者としての条件を満たしていることを証明することで,家族を社会保険上の扶養に入れることができます。
帰化申請で問題となるのは,このように扶養条件の確認が厳格化される前に,申立てのみで家族を扶養に入れた一部の方です。
もちろん,申立てのみで扶養に入れた場合であっても,被扶養者としての条件をきちんと満たしていれば帰化申請するうえで不利になることはありません。
ただ,例えば家族を扶養に入れることで保険料を節約しよう,という安易な考えで条件を満たしていないにもかかわらず家族を扶養に入れた方については,
帰化申請をきっかけにそのことが発覚する可能性があります。
その場合には帰化申請ができなくなるだけでなく,これまでの保険料や医療費の返還を含めて大きな問題となります。